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9月, 2024の投稿を表示しています

好きなものはずっと好き

やあやあ、またずいぶんと日があいてしまった。 その間に当社比たくさんの人、特に古い友人たちと会ったり連絡取り合ったりして、あまりに久しぶりな人ばかりなので「そろそろ死ぬのかな」と思ったりした。 むらくもやまでせっかくハンサム食堂行ったのに二日酔い引きずってたしね… その節は大変失礼しました。 一向に涼しくならない9月、回し続けたエアコンはフィルターをずいぶんほったらかしていたせいでまんまと体調を崩し、喉をガラガラいわせながら札幌へ向かったのが22日のこと。 文学フリマ札幌、ひじきさんのスペースにてお披露目となる「じゃがいもアンソロジー2」の応援、という名の食い倒れのはじまりである。 前日入りして妹夫婦としこたま飲み、イベント当日も一般入場開始を12時と勘違いして札幌の友人と遅いブランチをキメてきて、遅れて呑気に現れても「おつかれさまです」と迎えてくれるひじきさんとKさんの懐の深さ。 文フリ札幌、ゆっくり見られる規模感と空間の余裕があってとても良かった。あと、大きな窓があるから明るいし開放感がある。気持ちのいい会場だなと感じた。 スペースに椅子は2脚のみなので、応援といいつつできることの少ない(お二人が有能すぎて出る幕がない)草群はオーバーオールでイモっぽさを演出する看板と化した。じゃがいももりんごもおばけキャッチも日本酒ペロリもなんでもござれのひじきさんの軽快トークに時折茶々を入れつつ、人通りが途絶えたと見るや「提出当日に未着手の宿題」のごとく(身に覚えしかない)じゃがいもアンソロジー2の各作品の感想というか簡単な紹介文をSNSに連投し……と、ほぼなんの役にも立たなかったがしばらくぶりのイベントの空気を楽しませてもらった。 まじで何しに行ったんだ。 遊びに行ったんですね。正直でよろしい。 ひじきさんが席を立つ間は、前日すでに空港〜札幌市内を駆け巡ってへとへとになっているKさんに推しの話を聞かせてもらいながら、おいもを送り出したり、おばけキャッチと男の子の運命の出会いを見届けたり、なんだかほんとに、よい思いばっかりさせてもらっちゃったなという気持ちである。 さて、文学フリマ札幌は盛会のうちに16時閉場、 その後はもはや今回の目玉と言ってもいい「穀物祭」が控えていた。 じゃがいもアンソロジー2の寄稿者のうち、主催を含め5名が全国各地から集う、こんな機会はめったになかろう...

売り上手の友

 ありがたいことに9月から新しいお仕事を請け負う運びとなり、とにもかくにもキーボードを叩いている。並行して主催するアンソロジーの編集作業もあるものだから、キー氏との親交は深まるばかりだ。  畢竟、作業の効率を上げるためと言いながら机周りの掃除をしたり、どうでもよいファイルの整理をしたりする機会も増える。図書館で本だって借りてしまうし、ユザワヤで秋冬用の毛糸を買いもしてしまうのだ。  夏の終わり、それは毛糸の季節の始まり。  素直に夏の終わりを謳うにはまだ日中の気温が高すぎる気もするけれど、ひとまず暦の上では、毛糸のシーズンが到来している。夏には夏の糸があり、夏の編み物があろう。私だって編み物熱が再燃したのは酷暑ど真ん中であった。しかし、やはり未だ、編み物が盛り上がる季節といえば秋冬であるのだ。  私の腕が拙いこともあり、夏の編み物で愛されている細くてさらりとしたコットンや綿の糸よりも、これから台頭してゆくであろう暖かなウール系の、太くて適度な引っかかりのある糸のほうが俄然編みやすい――と、そういう事情もある。  そういう事情でウール糸がほしくなり、ユザワヤへ行き、まんまと友の会に入会して帰ってきた。だって宣伝ポスターでは「友の会メンバーならほぼ全品10%OFFだよ」と掲げながら、実際の売り場では20%とか30%とか、しれっと割り引いてくるから……。  ほしかった糸は手袋用で、編み図からして並太糸で150m、いや手首を長めにしたいから余らせる心算で200mもあればと目星をつけて店へと繰り出し、まんまと10玉入り(540m相当)の大袋を提げて帰ってきた。だって友の会会員なら通常20%OFFのところ、同色10玉同時購入で30%OFFになるっていうから……ベーシックな黒のウールだからなんにだって使えるし……絶対無駄にはならないし……。  この感じ、あれに似ている。色上質紙やノートを前にすると「いずれ使うものだから」とかなんとか理由をつけて、必要量の2割増しで買ってしまう、あの感覚に。  私という人間は昔から「さあやるぞ」と手仕事のギアが入った折、素材を過剰にストックしがちだ。心配性だからではない。素材、それそのものが好きなのだ。手を加えることが前提となったモノはそれだけで大変に創作意欲をくすぐるし、〈素〉であるゆえのあっさりとした佇まいも愛らしい。そんな愛らしい素材たちがた...

あの人は今

 気が付いたら9月に入っている。 たまに涼しい日があると「これですよ、こういうやつ!」となるが、まだ残暑は続くらしい。 8月の土日は比較的おとなしくしていた。 ここ数か月毎週末のように人と会う約束や遠くに行く予定が入る月が多かったので、あくまで当社比だが。 女子会研究会とむらくもやま会合と京都旅行くらいであとは、のんびりと朝寝をし、読書や書き物をし、ぼんやりとヤクザ映画を見て、出ても散歩程度という隠居のような生活をしていた。 家にいるなら普段見ないふりをしているあれこれに手を付けて有意義に過ごせばいいものを、まったくのんびりしてしまった。それを怒る人もいないし、怒られる筋合いもないのでそれもまたいい。 まあ、ここには平日夜に2回映画、2回クラスク、2回おばけキャッチしているのを勘定に入れていない。 夜遊びをしておいて、それはおとなしいのか? 9月以降は参加するイベントがいくつか予定されており、また忙しくなりそうだ。 さて……忘れ得ぬ人がいる。 こうして朝寝をしていると夢をぼんやり覚えたまま目が覚めるもので、 先日もその人の夢を見た。 高校生の同学年で同じ部活動であり、 大学を経て社会人になってからも数年は、仲間で集まってご飯をする程度の付き合いがあった人だ。 いまは疎遠である。 二度と顔も見たくないと言われるようなひどい別れをしたわけではない(と思っている)ので、頑張ればつてをたどり、近況を聞いたり、連絡をとれないこともないのだが、連絡をして何をしたいわけでもない。 思い出の中で美化されていき、街を歩いているときに「似ている人がいるな」と面影を探したり、たまにこうして夢に出る。頻度は数えていないが、1~2年に1度は見るだろうか。 「また見てしまった、まだ好きじゃん」と枕につぶやくくらいには思い出の人なのである。 頭の回転が速く、話はおもしろく、活発で、 先輩後輩男女問わず人気者になるのも頷ける人だった。 憧れていたのだと思う。 ユーモアたっぷりに自分の言葉で話す、人望と行動力のある姿に痺れましたわね。 細い目をことさらに細めて笑う堂々たる姿が、とてもかっこよく見えて、すごいなあと少し離れて見ていた。 憧れなので、おない年なのに、二人きりになったら、ドキドキしてうまく喋れなくて、一人反省会を開催することもしばしばであった。 まあ、きっといまでもサシになったらち...