風通し
自炊する生活が少しずつ戻ってきた。 先日作った鶏団子鍋、団子のなかに生姜とれんこんをたっぷり入れたので、ざくざくして香りが良くておいしかった。外食もいいが、自分の好みにできるから可能な限り自炊はしたい。 調理に手が回るようになったのは、忙しさが若干落ち着いたのも、ちゃんと材料を買い揃える元気が出たのもある。しかし、一番の要因は「台所がすっきりしたこと」だろう。 ガスの点検が来るというので、せめてここだけはと玄関と台所を片付けたのだ。人を招くことのない典型的な一人暮らし、とりあえずが積み上がって動線が圧迫されており、ひどく使いづらい空間になっていた。ということが、片付けてみてわかった。 積み上げたものの塊をよけながらの日常動作は細かなストレスも積み上げていく。もはや億劫の大量生産である。なるほどなあ。 肝心のガスの点検は、点検箇所が外だったのでガス会社の人が家の中に入ることはなかった。これ、私の立会い必要だったんだろうか。まあ、いいけども。点検してくれた方がなにかと「すいません」と言うのでなんだかいたたまれなかった。普段点検に回ってるといろいろ文句言われるんだろうな。本当にご苦労さまです。 家の片付けをするときは、全部やろうとしないで場所を絞ったほうがよいという教えをちょこちょこ目にする。その通りだった。ここと決めるとおのずとやるべきことがはっきりするし、何より無理がない。あと、私のように全体的に荒れているタイプはお手本スペースを作って達成感を得て、その範囲を少しずつ広げていくのが正解なんだろう。 あと、昨年末大掃除を兼ねてはりきって模様替えしてぎっくり腰をやった(同時に新型コロナウイルスに罹患して大変ひどい目にあった)ので、もうあんな思いはしたくない。無理は禁物、もう若くない。ただでさえ我が家には本が多い。本は重いのだ。いっぺんに動かそうとすればそりゃ身体を壊すだろう。 大掃除とか言ってないで普段から綺麗にしておけ、と言われそうだが、それはそう。わかっちゃいるんですよ。片付けてすいすい動きたい気持ちはあるので、時間のあるときに「ここ」を決めてだんだん風通しのいいすまいにしていきたい。 という気持ちはね、あるのよ。