通った後には草も生えない
先日の日記で、見たら頼んでしまう呪いの話をしたが、大阪に行ったときのミックスジュースもそのたぐいだ。
暑い中を歩いた末にたどり着いた喫茶店で、もっと炭酸の効いたさっぱりした飲み物が欲しかったような気分はどこへやら、メニューにあるなら頼んでいる。バナナが強いかパイナップルが強いか、すりおろしたリンゴが中にいるか、とろみのあるマンゴーを入れるところもあり、味は店によって少しずつ違う。
そういうわけで、土曜日からさっきまで関西にいた。ミックスジュースは2回飲んだ。
日記らしく今日のことだけを書くと、年々苦手になる「人間のふり」をしばらくして、京都でクイニーアマンとフィナンシェと551の豚まんと焼売をたくさん買って帰りました、チャンチャン。
……で終わってしまうのだが、人間のふりについては別に今回話したくないのよ。フィナンシェつながりで、26・27日のことも少し(少し?)書き残させてほしい。
26日
出立のための東京駅では土産店を巡回し、まだ手に入れていないフィナンシェを買い漁った。
東京の手土産としてよく見かけるようになったバターバトラーをご存知だろうか?そのバターバトラーと親元(名をシュクレイと言う)を同じくする焼菓子ブランド(東京駅構内で言うならザ・メープルマニア、東京ミルクチーズ工場、ドロス、ココリス)にはたいてい商品ラインナップにフィナンシェがある。ただ複数個入の箱買いのみなので、普段はダブリ余りが気になって、なかなか二の足を踏んでしまう。何しろお世話すべきフィナンシェは家にたくさんいる。とりあえず1個あればいいのだ。だからイベントの差し入れや、旅で気が大きくなったこのときとばかりに買ってみる。シュクレイの他にも今年の4月からフィナンシェを始めた『東京チューリップローズ』もチェックだし、カルビーが東京駅にしか出していない『じゃがボルタ』でじゃがいもスナックの季節限定味も買わないといけないし、これから旅に出るというのに、箱がいくつも入ったまあまあ大きな紙袋を持つことになった。
夕方に西日本支社の同期と待ち合わせた。
2人の小さな娘がいる母親なので難しいかと思ったが、タイミングよく上の子はパパとプール、下の子を実家に預けて時間を作ってくれたのだ。前回会ったのは上の子がハイハイもできないほど幼いコロナ禍前だった。日頃仕事で連絡を取り合うこともなく、Xもインスタグラムも繋がっていない、LINEは数年に1度しかしない、そんなつながりだが、会ったらとても楽しかった。
行きたいところある?と聞かれて、京都にあるフィナンシェ専門店を候補に出したら、「フィナンシェ好きって言ってたもんね。まだブーム続いてるんだ」と返ってきて、お、覚えてくれてるの?と驚いた。話しているとナポリタンが好きなこともボードゲームで遊ぶことも覚えている。つまり、仕事の話も歯に衣着せず話せるし、趣味の話も聞いてもらえるのだ。これ強力な話し相手じゃないか?新しく欲しいと思っても得られない貴重な存在だ。フィナンシェ専門店『リジェール』でフィナンシェ全種類を買った後、夕飯は、私がフィナンシェスポットを調べているときに出てきた『セカンドハウス』にした。席数多めのウッディーカジュアルなカフェで、スパゲッティの種類が豊富、ケーキもセットにできる居心地の良い空間だった。
27日
鶴見緑地の植物園『咲くやこの花館』に出かける。もちろん、食虫植物を見に行くのである(参照)
この夏の食虫植物展に行くのはもう最後だろう。短期集中的に4か所の植物園を回って、私のフォトフォルダはウツボカズラでいっぱいになった。自分用の写真集でも作ろうかしら。
植物園を10時から14時まで堪能し、京阪百貨店をパトロールして、ドンク系列の『マリー・カトリーヌ』でクイニーアマンと『カステラ銀装』でフィナンシェを1つずつ手に入れる。西日本でしか見かけないお店は要チェックだ。
28日
京都には『志津屋』というパン屋があって、カルネというパンが有名なので何回か買ったことがあったが、まさかクイニーアマンがあると思わなかった。フィナンシェも3種類。さらに乗り換え駅の中にある『カスカード』というパン屋にもクイニーアマンが。チェーン店やりよる、パン王国京都を舐めていましたわ。本気でパン屋巡りをしたら、致死量のクイニーアマンが手に入るに違いない。
京都駅の土産売り場では、お土産用のフィナンシェを4種類見つけてしまう……流行ってんのか?これも東京駅同様ばら売りではないので、まあまあな数になる。
さらに伊勢丹の地下へ。芦屋が本店の『アンリシャルパンティエ』はフィナンシェでギネス記録に認定された洋菓子屋だが、ショッピングモールでもデパ地下でも大きな区画を設けている。別区画にHANAREがあるくらいだ、さすがお膝元に近い。
『京菓子司 末富』でこのあんこを塗り付けるとおいしいですよというフィナンシェをあんこは買わずにフィナンシェだけ買う。
他にも軽いとはいえ嵩張るカールや、カルビーのポテトチップス(滋賀工場バージョンと関西だし醤油)を密輸したので、腕がちぎれそうになりながら帰路に就いた。
新幹線の車内販売、行きは回ってくることはなく、帰りは来たには来たが眼前で売り切れという、行事食としていたシンカンセンスゴイカタイアイスは食べそびれた。もう次乗る時はワゴンサービスはなくなっているだろうから、少しだけさみしい。
それにしても、フィナンシェ狩り(フィナンシェを買うために朝から晩までケーキ屋をローラーする恐ろしいプログラム)を目的に旅したわけではないのに、私だけマップがなんか人と違うのではないだろうかと、思わなくもない。
かなりの収穫物を得ているな…と思いながら読んでいたのに、この旅程のことはフィナンシェ狩りとは呼ばないんですか!? 恐るべしフィナンシェ狩り…。
返信削除