こうかはばつぐんだ

いやーーーー

弊社は皇居のお堀端、桜は満開だが会社の窓から見下ろして満足するしかないくらいチーム内で人の倍仕事をこなしているきがいたします、草群です。
ごきげんよう。
この仕事をしていたらいつかは好きな作品に直接関わることもあろうと妄想を重ねること2年弱、まんまと舞い込んでくるどころかその後どんどんメディア展開の幅が広がり、なんかえらいことになっている&これまでお付き合いのある取引先の仕事もでかいのがきて、チームのなかでも私のスケジュールだけめちゃくちゃなことになっている。

えーーー。

どう考えても私が一番案件を抱えているので「たすけて!」って絶叫したらスッと手伝ってくれる人はいるし、私も身動きとれるうちにアラートを上げられる分別はあるのでいまのところ事故らずにすんでいるのだが、まあ綱渡りもいいとこで、こんな状態で5月の文学フリマに新刊を出せるのかどうかは甚だ疑問である。

出すけど。

放置&後回しグセで大炎上した後輩とか、最低限の確認を回すことさえ怠るヤツとか、仕事とはなんぞやというところから叩き込まねばどうにもならない同僚にバチクソキレちらかしつつ(私だって穏やかに仕事したいのだが、他に誰も怒り役がいないのだ)、きっとよりよい明日が来ると信じてやっていくほかない、とすぐ上の上司&同格の同僚と溜め息をついている。

あとさきとか、相手のことを考えて仕事を渡せる人って貴重なのね。
勉強になりました。

そんなこんなで、ただでさえ自分の抱えてる仕事がどれもこれも期日に追われている&後輩の炎上案件のリカバリまでやってるもんで、エンドレスで段取りと優先順位を考え続ける日々、なんなら移動の時間は予習と振り返りの時間で、片時も気の休まる暇がない。3月上旬に「これはまずい」と都心の天然温泉スパ施設利用券を確保し、どこかで合間を探って休養をとろうと目論んでいたものの「いま休むと危険」な日々が続いて走り続けるほかなく、購入から一ヶ月の期限は刻々と迫っていく。

全部最短で打ち返してるのになんで仕事が増えるのか。

まあそれは正直当チームの炎上コンビ(ベージュ&桃太郎)のなせるわざなのだが、いい加減こちらも張り詰めすぎて、なんなら一昨日の朝は本当に起きるのがしんどかったので、もう無理だという結論に達して半休をねじこんだ。

いざお風呂。ざぶーんの国。

弊社、徒歩圏内に都心型総合エンタテインメント施設がございまして、ご飯もお風呂も遊興もなんでもござれなものですから、一度仕事帰りに行こうと思っていたのだ。

行列をなしてそぞろ歩く花見客を横目に、すたすた歩いてご飯屋を物色し、しかし結局くたびれ果てていたので一人でも入りやすいような穴子と天ぷらの店に落ち着く。

お、大人の贅沢だ。

ふっくらした身とたれと出汁を堪能したあとは、本命のざぶーんへ。
これがまあ、大変よかった。
ずーっとガリガリ演算を続けている脳みそを、湯船のなかでなんとかなだめ、努めて考えることを放棄して、温度の違うお風呂へ適当に入って回る。
視力が極端に低い&館内案内があまり多くなかったのでいまいち周囲の状況がわからないまま入浴していたのだが、みんなだいすき露天風呂もあったのでまだ春のひんやりした空気のなかまた別の風呂に入り、飽きたら内湯に戻ってジャグジーに打たれて前進する。…あれどうにかならないんでしょうか。強力なポイント水流でどんどん前にいっちゃうあの現象。

若干湯当たりしながらお風呂を出て、牛乳と迷って結局ビール。でっかい水のペットボトルをチェイサーに、ポテトをかじりながらぼんやり読書する。
この小説がまた仕事絡みなのだが、有り難いことに仕事抜きに面白くて一気に読み終わってしまった。男の生き様と、心を許した相手にだけふと崩れて見せるところがまあたまらないのだ。

大満足で文庫本一冊読み終えて、そのあとはリクライニングスペースで朝までぐっすり。起きたらもう一度風呂に入り直して、さっと身支度をして街に出た。

なんとびっくりなことに、頭も身体もこの数ヶ月の重さが嘘みたいにすっきりしている。全身にまとっていたグレーの遮光シートをべらりと取り払うような。
ずっとなんとなく眠いような重たいような、頭の芯が痛むような状態だったのがなんだかスカーンと晴れて、大きなお風呂で存分に温めたためか身体の節々もよいかんじにゆるんでいる。モーニングを提供している手近なパン屋で朝ご飯を食べながら、これは仕事が捗りそうだななどと思った。

なんとでも言え、絶賛綱渡りスケジュール中なのだ。
頭がちゃんと働いてくれてるほうが事故なく、最終的に楽ができるのだ。

朝ご飯を食べたあとは、枝垂れ桜に山桜、染井吉野と桜の咲くところをぶらぶらと散歩しながら、結局いつもよりだいぶ早めに職場に着くのであった。

あーーーーー楽しかった。

平日のちょっとした贅沢、思考を止めるための湯治、もう何もしないぞという意志。これがスパ、現代における湯治場の姿である。

というわけで、明日の朝ご飯はパン屋で買ってきたシナモンロールです。

たのしみ〜〜〜〜

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