しっくり飯(ガレット・デ・ロワ)

 はい、シリーズ化しそうなひじきの「しっくり飯」のお時間です。


1月4日から私が食べ続けているのは「ガレット・デ・ロワ」


ガレット・デ・ロワは、「王様の菓子」という意味で、キリスト教の祝日エピファニー(公現祭)の日(1月6日)に食べるフランスの菓子である。


ガレットと言っても、

そば粉のクレープやガレットブルトンヌではない(ガレットブルトンヌも好き)

アーモンドクリームが詰まったパイだ。


パイの中のどこかにフェーブと呼ばれる陶器の人形みたいなものが入っている。

パイを切り分けて配り、フェーブに当たった人が王様となり、その日一日王冠を被り、一年幸運に過ごせるとか。

最近は安全のためにフェーブを後入れか、アーモンドやチェリーで代用している店が多い。


ここ数年、シュトーレン同様知名度が上がり、ケーキ屋やパン屋各所が作って期間限定で売り出している印象は受けていた。


アーモンドクリームパイなんて、

ひじきめっちゃ好きじゃんね?

クイニーアマンとフィナンシェの悪魔合体みたいなもんじゃんね(そうか?)


実は

意外にも今年初デビューですよ!


何故かと言えば、

シュトーレンと時期的にごっちゃになるあまり、なんか勝手にスパイスとか洋酒のがんがんきいた癖のあるお菓子なんじゃないかと思い込んでいたこと。

フランスがそんな素朴なパイ焼くか?(フランスに謝れ)

シュトーレンは食べられるけどそこまでテンションが上がらない。いや、おいしいシュトーレンに感動したら、ひじきのことだからシュト活してみるのかもしれないけど。


そして、でかいこと。

1ホールのパイて。

家族で分け合うことが前提だからね。

ピースで売っているところもたまにあるが、それはそれでレイヤージュ(表面に施す模様)がちゃんと綺麗に見たいので、できればホールで欲しい(わがまま)


で、今回デロを始めてしまったきっかけは

1月4日に新春ボドゲ女子会を企画したことだ。


これまでKさん&Mさん、もしくはCさん&Hさんとたまにボードゲームで遊んできた。

で、今年もそれぞれと遊ぶ日の調整をしていたのだが、同じ日が空いているという。

……実はこの二組、出自は同じというか10年前くらいに面識自体はある仲なので、がっちゃんこしてもよくない?

ボードゲームが共通言語となると、初対面同士だけでなく、久しぶりの気まずさ、会話の続かなさみたいなものは起きにくい。ひじきが間で繋ぐし。


集合!

集めた。


で、年始にパイの同人誌を読んでいて(パイの同人誌て)、

ふと思いついた

大人数でガレット・デ・ロワしたら、盛り上がるんじゃない?

フェーブ当たったりとか王冠被ったりとかボドゲっぽくない?

5人のうちガレット・デ・ロワを食べたことがあるのは洋菓子の師匠・Kさん一人で、残りは全員初体験。ぜひやりたいという。

予約したボードゲームカフェは幸いにも食べ物持ち込み可能だ。

前日にナイフと紙皿とプラフォークを準備して、

ガレット・デ・ロワが買えそうな店をピックアップした。


百貨店は10時開店だから10時半に行けば予約しなくても当日分が買えるだろうと新宿の小田急百貨店へ向かった。

お店はビスキュイテリエブルトンヌ。

季節代わりのフィナンシェでお世話になっております。

ここのはきっとおいしいよねと白羽の矢を立てたのだ。

行ってみたらガレット・デ・ロワ「本日分売り切れ」の張り紙。

は?

これは今日のはこれから入るとかではなくて?

開店同時じゃないと買えないと言われた。

ひえええええ、デロワ洗礼~~~~。


……でも、大丈夫。

私のピックアップというのは1店や2店ではない。

あらゆるリスクやトラブルを想定するというか、

初めてすぎて気になるお店が絞り切れなかったというか、

10店は調べてある。

私まだ戦えるわ。

てか、取り扱ってる店、色々出てくるの。流行ってんじゃん、やっぱり。


次は京王百貨店

ここにはパン屋のポールが入っており、

ポールのクロワッサンはうまいですからね。

そして、当日分のデロワありました!

ください!

レジ待ちしている間にショーケースを見せつけられるので、キラキラした目で見上げてくる他のパンも買いたくなるわ(結局買った)

隣のお客さんもデロワを購入していて、1月6日に一番近い土日だからなのか、デロワ好きは本番の日とか気にせず買うのかはわからない。

渡された包みは、

ピザか寿司かなというでかさである。

「ある!」ってなってよく見ずに買ったけど、デロワって結構大きいんだね。


物に当たって粉砕されないように慎重に運んで、ボードゲームカフェへ。

5人いると遊ぶボードゲームの種類が3人とは結構変わる。

大喜利・連想系のパーティーゲームができるし、対戦も幅が出て盛り上がった。


ゲームがいったん落ち着いたタイミングで

ジャーンと取り出し、切り分けを行った。

食べたら、

スゴイオイシイ

思ったよりもシンプルなアーモンドクリーム

サクサクでリッチなパイ生地

カロリーの味がする

ひじき絶対好きな奴じゃん


誰がフェーブに当たるかな~とわくわくしながら食べ進めたが、

???

出てこないね

誰も当たらないね

後でよく読んだら

あ、

これ

フェーブ別添えで中何も入ってないタイプだった!

初心者Miss!

しょうがないのでゲームに勝った人が王冠を被って過ごすことになり、何種類もゲームをやっているうちに5人全員が王冠を被れてよかった。

私はボブジテン(むらくもやまでも遊んだカタカナーシとほぼ同じ)で王様に。

その日は、また来年もガレットデロワゲーム会やろうねぇと楽しく解散した。


……で、

そこで終わらないのがひじきである。


ホテルのパティスリーや個人のケーキ屋はこのタイミングではもう難しいだろうと初めから除外したのだが、

デパ地下系だけで10店舗以上調べたのよ

1月6日を過ぎたらもうぱったり売らなくなるのかと思いきや

そういう店もあるけれど10日までとか14日までとか、もうちょと期間が長い。


他の店のデロワってどんなもんなの?

比べてみたくなりませんか?

来年の新春ボドゲ女子会でデロワを選ぶ基準を作るためにも、いまのうちから食べ比べておいたらいいんじゃない?(口実)

こんなにおいしいものを1年に1回で終わらせてなるものか。(本音)


1月6日から11日まで

月初業務の忙しさの合間を縫って

最後の砦として残しておいた伊勢丹に足しげく通った。

伊勢丹の洋菓子売り場とパン屋のデロワ率はなかなかのもんやで。

そして私はここ数年フィナンシェとクイニーアマンの殲滅を行っているので、スマホ開いて1店1店調べなくても新宿エリアならどこにデロワがありそうで、どこのデロワが自分好みかなんとなく予想が立つ。

経験って役に立ちますね!

12月のクリスマスの後から取り扱いを開始している店も結構あり、

本日分売り切れ、予約枠終了もこのタイミングでは多いけれど、

まあまあ買える。


最初は直径10cmくらいの小さい奴だけにしよって思ったけど

無理よ

だいたい直径15mの4人用くらいがデフォルトよ

ソロ活に向いてないよ

デブ活だよ

てか、

4日に食べたポールのアレ

8人前以上あったのね!

普通にでかい部類だった

5人で食べちゃったけど

やっといて結果正解


Twitter(X)に写真を載せた3日目には

「フィナンシェヤクザ」の名付け親であるGさんから

「デロリスト」の称号をいただきました。

また物騒な肩書増えちゃったな!


今期は本気を出さなかったので、最終的に10ホールくらいで終わりそうだけれど

店によってやはり違いがある。

パイが軽いところ、

パイに塩気があるところ、

アーモンドクリームがぎっしり詰まっているところ、

アーモンドクリームに洋酒の風味ばっちりきかせているところ、

バカバターなところ、

ピスタチオバージョンがあるところ、

などなど

表面の模様は、





太陽柄が多い気もするが

麦の穂やヒマワリ(ポールのがそう)、月桂樹の柄も手に入った。

160度くらいのオーブンでリベイクして少し落ち着かせてから食べると、フィリングにまでバターがしみておいしい。

いや、ホールでかいかなって思ったけど

おいしいから1日でペロっと食べちゃうわ(なお連日の摂取カロリー)

活動結果として、王冠とフェーブがやたら溜まってしまった。

獲った首かよ。



来シーズン、もしちゃんとやるなら(やるってなに)予約を駆使してピックしていく計画性が求められる。

個人のパティスリーも襲うのか、定期券範囲を超えた電車代をかけてまで遠征するのかによっても選択肢が変わる。

なにしろ季節性稼業なのだ。

1年でそのシーズンにしかできない。

業界市場的にも定着するのか一過性のブームで終わるのかもわからない。


来シーズンは、むらくもやまでもガレット・デ・ロワを食べる会やりませんか?

デロリストがお選びいたします。

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