痰吐き竜として観光名所になるかと思った
肺炎を患っておりました。
驚くほどしんどかったのだが、Twitter(X)でつれぇわーまじつれぇわーと書くのも私の主義ではないので、このむらくもやま日記で供養させてもらえればと思う。
9月の2週目ごろから咳が出るようになった。
喉の奥に痰がいるようでそれを出したいような軽い咳だが熱もなく他に異変もなく、仕事も問題なくこなしていた。
3連休に北海道旅行をしたのは、文学フリマ札幌でじゃがいも文芸アンソロジーを頒布するためで、草群さんも書いてくださった通り、大変楽しい旅となった。
その辺はTwitter(X)参照のこと。
北海道では咳に加え、鼻水が出始めていて、秋のアレルギーかしらとKさんの差し入れてくれたトローチを舐めたり、ご当地ドラッグストア「サツドラ」でティッシュを購入して、ぐじゅぐじゅしていた。
しかし、食欲もあるし、何しろテンション高めなので、つらい感じはなかった。
北海道から帰ってきて、体調が崩れた。
これは風邪だな、ハードな旅程だったものな、いつまでも若いつもりで無茶するからと思い、会社を早退し、医者で薬をもらい次の日1日寝ておいた。
その次の日は自分主宰の勉強会があったので、咳を押し殺しながら、1時間ほどプレゼンし、でもどんどん悪化していく感じがあったので、またしても会社を早退した。
土曜日にアフタヌーンティーの予定が入っていたが、25日の時点で食欲がなくこれは無理だなとキャンセルした。
日曜日は八王子で開催されるTAMAコミでじゃがいも文芸アンソロジーを頒布する予定で、荷造りまで済ませていたが、朝を迎えてもどう考えても会場にたどり着ける体調ではなくなっており、合体配置のAさんに最寄り駅まで来てもらって、委託をお願いした。
うう、ボドゲガレージと合同開催ということでおばけキャッチの話ができる人がいるかもと楽しみにしていたのに。
呼吸が苦しい。
立っていられない。
おかしい。
30日の月曜日は月末最終日で会社に行かなくてはまずかったため、ハァハァ息も絶え絶えに、普段すいすい歩く階段を使わず、エレベーター、エスカレーターを駆使してゆっくりゆっくり会社に行き、すでに肺炎の可能性を視野に入れて(肺炎なったことないけど)「なんか、これもしかしたら長引きそうなので」と泣きそうになりながら4日分の引継メモを雑に作り、早退した。本当は1か月で一番やることが多い、絶対に休みたくない月初の4日間である。出勤できるものなら這ってでもしたいが、この日の出勤がきつすぎてあかん感じしかしなかった。
帰りに前回と同じ医者で診てもらったが、咳と痰がひどくなりましたと訴えても、「薬飲んでいてよかったでしょう。飲んでなかったらもっとひどくなってましたよ。咳喘息か副鼻腔炎かまあ、肺炎の可能性もありますね」と心音を聞いてなお、特定してもらえなかった。しんどいときにこの先生の雰囲気、私向いてないわ……(もともと3月に急に前の先生から変わったので好きで選んだ人でもない)
呼吸器系の薬は、調剤薬局で不足しているらしく、3軒たらいまわしに遭い、もうなんでもいいから早く薬をくれ、横たわらせてくれと這う這うの体で帰宅。
家の中の移動すらおぼつかない上に、座っていることすら苦しく、咳がひどくて横向けにも仰向けにもなれないので布団を抱え込んだ香箱座りでうんうん過ごした。
翌朝、いやこんな苦しいの無理でしょおかしいでしょという危機感からスマホで調べた自宅から徒歩圏内の呼吸器系のクリニックに電話をして倒れこむように向かい、
この時点で血中酸素は90を切っており、
すぐレントゲンが撮られ、
「これはまずい、入院一歩手前の肺炎です」
抗生剤と栄養が点滴された。
肺炎じゃねぇか!
左肺まっしろじゃねぇか!
昨日の医者はなんだったんですか。
薬の処方の方向性が間違っていたわけではないけど肺炎にダイレクトアタックではなかったことを怨む。
セカンドオピニオンの大切さというか、
家の近くに呼吸器系があってよかったし、しんどい中行くことを決めた自分をほめてあげたい。
肺炎と特定されたからと言って、すぐよくなるわけでもなく、そこから数日間は、咳は止まらないし、あらゆるフェーズの粘度や色や激しさの痰と戦うことになる。
お年寄りが肺炎で亡くなることがあるの、わかる気がしてしまった。
絶え間なく痰が出るが、痰が切れないと呼吸ができない。
痰がたまる音がずっと聞こえてきて、でも避けることはできない時限爆弾のようだった。
食事を摂れないから体力はどんどん落ちていく。
トイレに行くぞ!とか、水分を取るぞ!とかそろそろ薬だ!と一念発起しないと、寝床から動けない。動けないと事態は悪くなるしかないから、欲望に逆らって意志を強く持って動くしかない。
大げさに言えば、
判断を間違えたら死ぬみたいな、なかかなか普段感じないぎりぎりのスリルを味わった。
風邪をこじらせて肺炎ってたまに聞くけど、風邪の重いやつっていうには次元が別物だな、これ。
長く患ったら人生観変わっちゃうよ(本人の感覚なので大げさに言っております)
本も読めず、スマホを見るのもつらいので、知り合いのポッドキャストを朦朧とした意識の中聞いていた。脳内が少しでもクリアな時間に各種連絡を少しずつする。
まとまって眠ることはできないが、まどろんでいる間は幸せで、肺炎なんて夢だったのではないかという気すらするが、目が覚めてしまえばまた地獄という日が続く。
次の診察までに容態が悪化したら、迷わず大きな病院に連絡してくださいと言われていたが、
薬を飲み始めて3日目くらいから咳や痰の量は徐々にではあるが落ち着いてきて、眠れる時間も増えた、抗生剤まじありがとう。
血中酸素も92くらいになった。
血液検査の結果、でかい病院でも1年に1度見るか見ないかのすさまじい数値だったらしい。
まだまだ息は苦しいが、1週間くらいで出歩けるようになるでしょうと診断され、次の土日も寝て過ごした。
ロキソニンを入れてもずっと高かった熱は37度台前半に落ち、
座椅子があれば座れる時間も長くなった(おばあちゃんかよ)
7日の月曜日はふらふらと出勤した。
周囲から見ればまだ倒れそうな顔色だったと思うが、この日ばかりは出ないと、仕事がとんでもないことになってしまう。いや、出勤してよかったまじで。ベストは尽くせないがなるべく傷を浅くできた。留守中不完全でも進めてくれた上司に感謝である。
火曜日から金曜日までは、業績資料作成やら四半期決算やらで残業続きだったが、なにしろ呼吸が苦しくないだけで私やれる、やれるよ。
普段遊び歩いているだけに被害は0というわけにはいかず、
吉祥寺のおばけキャッチ大会への出場を泣く泣く諦めたほか(むらくもやまで応援に来てもらう予定だったのに申し訳ない)、
3連休にかけて予定していた海外旅行もキャンセルした。同行者には申し訳ないことをし、キャンセル料がかなりかかったが、仕事も体もしっちゃかめっちゃかになってしまったのだから、仕方ない。
賞味期限が切れてしまったフィナンシェもたくさんある。
食欲大魔神のひじきが2週間ほどポカリで命を繋いでいたので、体重も筋肉も体脂肪も落ち、もともと貧相な体つきだったのが、頬がこけ、餓鬼草子よろしくあばらが浮き、雨が降ったら水溜まっちゃうよ、骨盤と骨盤の間に橋が架かるよみたいなことになった。
骨が出て寝てると痛いすらある(おばあちゃんかよ)
「アイスとかジュースとか好きなものでカロリー取ってくださいね」と甘やかされたアドバイスをいただいたものの、ポカリもゼリーもヨーグルトも甘いものばかりで飽きてきた。
今はお粥からどんどん食べるものを増やしているところである。
エネルギー不足でめまいがするので体を動かすために無理やり食べていたが、やっと食欲を覚えるようになったので、ここぞとばかりにハイカロリークッキーをパクパク食べたりして、近いうちにほぼほぼ元に戻るだろう。
いやあ、びっくりした。
今は自分で決めたタスクをこなせる喜びにうち震えている。
皆様もお気を付けください。
溶連菌もマイコプラズマもコロナをも流行っているようだし、
咳が止まらなかったら、呼吸器系クリニックに早めに行くことをお勧めする。
夜遊び、いつから再開しよっかな~。
ちょっと時間がたってからコメントをつけていますが、いやはや大変でしたね……。食いしん坊としては、食欲が消えるとびっくりしますよね。たくさん夜遊びして元気を蓄えていきましょう!
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