背中で合掌

ひじきさんが文披について触れていた。定期更新に不安があるとのことだったが、安心してほしい。現在すでに七月の十五日だけれど、私はまだ二日目の文を披いている最中だ。

たしか去年も、翌年の六月くらいまで取り組んでいたのではなかったっけ……企画の主催さんが「期限はとくに定めないよ」と公言しておられるため、全力で甘えているのだった。今年も甘える予定です。日ごと順繰りにお題を消化するとしておきながら、まだDAY1のお題分しか書き上げていない参加者なんて私くらいのものじゃないだろうか。皆の希望の光として、今年もじっくり取り組んでゆきたいと思う。

そんなこんなで七月の中旬である。つい先日、私は人生で初の体験をした。クロップドトップス、いわゆる「へそ出し」の服に手を出したのだ。

私も昨年までは戸惑いがあった。こんな歳でああも肌を出す服を着たりしたら、さすがにお腹を壊してしまうんじゃないかしら。大人たるもの、いついかなるときも腹だけは温めておくべきじゃないかしら……と。

しかして、この暑さである。猛暑酷暑をゆうに超え、最近は「殺人的な暑さ」なんて言葉まで耳にする始末。とにもかくにも、大切なのは体温を上げすぎないこと。ひいては熱中症の予防。それ以外に何を気にすべきだというのだろう。

そういった気持ちで腹を出し始め、わかったことがある。

まず、腹を出すと、大変に姿勢がよくなる。私が見栄っ張りだからかもしれないが、可能であれば可能なかぎり、町中のショーウィンドウに映る自分は自分の望むような姿をしていたい。具体的には、お腹はそこそこに凹み、腹筋の筋は美しく浮き上がっていてほしい。となると自然、体幹が常に緊張するようになるのだ。これはいい筋トレになる。何につけても、筋肉、すなわちパワーがあるのはよいことだ。

そして腹を出すと、出さぬうちは知り得なかった自分自身について知ることができる。私は腹を出すようになり、露出する肌に日焼け止めを塗るようになって初めて、自分の腹のあたりにある薄い痣だとかほくろだとか、むかし怪我をしてちょっと硬くなっている箇所だとかをまじまじと見た。

この身体とは三十年以上の付き合いだ。ゆえに私は私のことを、少なくとも半分くらいは理解しコントロールしえている。そう自負していたのだけれど……どうやらそれは間違いであったらしい。私は自分の身体のことを、あまりにも知らない。

お腹だけでこうなのだから、もし背中をまじまじと見る機会があったらどうなってしまうのだろう。末恐ろしいかぎりであると同時に、こんなにも未開拓なコンテンツが文字通り手の届く場所にあったのだという事実に、なんだかわくわくしてもいる。そんな夏の前半なのでありました。

コメント

  1. へ、へそ出しデビューをなさっている!姿勢も腹回りもたるみきっている私には勇気ある行動に見えます。
    おなか、布越しに叩いたり撫でたりすることはあってもまじまじ見ることないですね。

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