サボりの才

いやはや、すっかり寝込んでおりました。病院で調べてもらったところ、運よくただの風邪であったからよかったものの……。

今回の体調不良のきっかけには心当たりがある。連日の暑さで今季初めてクーラーを使ったのだけれど、駆動前にフィルターの掃除をしていなかった。であるがため、フィルターに付着していた埃がアレルギーを引き起こしたようなのだ。そのアレルギー反応でくしゃみを連発した結果、喉が荒れ、荒れた喉が細菌をくっつけてしまったらしい。

臥せっている間は、ひじきさんの日記でも触れられていた文披に参加するためのネタを考えたり、ベッドに寝転がりながらスマートフォンで出来る範囲の事務作業をしたりしていた。縦になっているとつらいばかりなのに、横になると気持ちだけは元気になり、何かをしていないと落ち着かない。いったいどうしたことだろう。

いや、しかし。思い返せば私は昔から、「他の人が当然〇〇をしている時間に、自分だけ違うことをする」という瞬間に人並外れた喜びを感ずる人間だった。サボることが大好きであったし、得意でもあったのだ。

保育園に通っていたときはしょっちゅう図書館の本を持ち出しては各部屋の掃除道具入れ等に籠ってお昼寝だのご飯だのをスキップしようとするのみならず、頻繁に園からの脱走を試みて先生方の手を煩わせる子供だったという。小学生の頃はやたらと身体が弱く、出席日数ギリギリで義務教育を脱したと聞く。学生の時分はノルマさえこなせば出席は不要な授業ばかりを選択していたし、新卒で入社した非常に環境のよい会社を「きまった時間に電車に乗るのがどうしても無理」という理由で退社し、それ以降はとかく時間に縛られないその日暮らしの請負業で日々をなんとかしてきた。

こうして振り返ると、これほど〝サボり〟に向いた人間もいない。

それなりに歳を経て、このサボりの才を鑑みた上でなんとかこなせる生業のようなものも見つけたつもりだ。だから療養するときにこそ、この才を如何なく発揮してほしいものだけれど……どうにもこの余りある才が邪魔をして、休むべくときには却って何かしらを成そうとしてしまうらしい。心からやめてほしい。もうそんな横車を押せる歳ではないのだから。

職場の知人によると、エアコンのフィルターはおおよそ週一、野菜を洗ったザルと同じノリでさっと水洗いしたのち風に当てて乾かすと、アレルギー対策的にも冷房効率的にもよいそうです。今年は私もこのアドバイスに倣おうと思う。

コメント

  1. エアコンがないと死んじゃう時期に入りましたね。
    療養といいつつ、なにかしないと落ち着かないのわかる気がします。

    やまおり亭さんの保育園が思った以上にやんちゃだった。
    (ひじきは今では考えられないけど、当時お散歩キャンセルが得意でした)

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