あたまに花殻

桜吹雪が過ぎて、公園の高い木々が実だか葉だか、いろんなものをばらばらと振り落としている。

家から駅に向かうには、通りに出て最短距離を行くか公園をまわっていくかのふた通りがあるのだが、道を渡らないぶん公園まわりのほうが早い場合もあり、このところよい天気の日が続くので、花から青葉に移り変わるこの時期ならではの劇的な変化を楽しんでいる。桜は散りかけから若葉のあいだに花がちらほら残っているくらいが一番好きだ。ぱんぱんに花開いた八重桜のぼたもちっぷりも好きだけれど。

パンまつり(という呼称がすっかり定着したな)でやまおりさんはシティーベーカリーのバゲットにはまっていたが、私はプレッツェルクロワッサンサンド(長い)にはまったので今日の昼ご飯用に買って、電車に乗る前に駅のお手洗いに寄ったら脳天にぽっちりと桜の花殻がのっているのを発見した次第である。
どうりでパン屋のレジでおねえさんの視線を感じると思ったんだよ。そういうことか。
シュッとしたお店はそういうとこシャイで困っちゃうわね。言ってよもう。

朝からおいしいパン買ってホクホク、とはなかなかいかず、そもそも仕事に行きたくなくてお昼ご飯でテンションを上げようとしたふしがある。
なんか、いろいろあるのだ。主に人の動き。このあいだやーんなっちゃったので帰りにいちごとかお刺身とかやたら買い込んで平日の晩から一人で宴会を決め込んで以降、「やんなっちゃった晩ごはん」の割合が増え、日中も全方向にがんばろうとするのをやめたというか、ちょっといろいろ先鋭的になりすぎてた気がするというか、自ら揉め事を起こしかねないコンディションだったので一旦落ち着こうという結論に達した。
私としては手を抜いているくらいの心持ちなのだが、ただ気を張ってカリカリするのをやめたぶん少しやわらかく仕事に当たれるようになったような。

いや、基本的にやーんなっちゃってるのでさっさと切り上げて帰るようにしてるから、
単純にしっかり寝られてて穏やかなだけかもしれない。

本業のテンションが雨降り前のツバメなみに低空飛行なのは、副業というか個人の趣味の延長でやってきたデザインのことでちらほらお声がけいただいているためでもある。
基本、好きなことしかしなくていい(語弊)のでこちらは間違いなく楽しい。なんかこう、うまいこと対応して倒していく仕事の面白さとは別種のもので、もっと野蛮な活動だと思う。

そう、私の本質はおそらく、野蛮なところにあるのだ。
野蛮でいられるときが一番いきいきしている。

むらくもやまメンバー、そういう意味でちょっと似てるな。
みんなけっこう、それっぽいとこあるぞ。

ひとつのことに秀でていたり専心できるのも素晴らしいことだが、私はこうやっていくつもの車輪を同時に回しながらバランスをとっていくのだなと思う。
それが四輪駆動だったり、前輪駆動だったり、自転車になったり、まあいろいろで
たまにサイドカーがついたりもするんだろう。

まったく愉快なことである。結局わたしは何屋なんだろうな。
忙しくなるぞ。

コメント

  1. 「野蛮」という言葉、しっくりきすぎて笑ってしまいました。そういうとこあるかもしれない。プレッツェルクロワッサンサンド(確かに長い)、気になりつついつもバゲットなんですよね。次こそプレッツェル以下略を買ってみよう!

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