柚子にご縁

なんだか柚子にご縁のある冬だ。

昨年はゴン(私の不在を見計らい、招文堂に可愛く美味しいお土産を置いていってくれる某方)に枝葉つきの柚子を譲って頂き、たっぷり店に飾ったのちお風呂に浮かべて楽しんだ。

いつになく鮮やかな季節感を味わった、いい冬であった。
そう思っていたら、年明け、また別の方から柚子をごろごろりと頂いた。

聞くに、もぎたてなのだそうだ。せっかくなので今回は、水気の抜ける前に食べてみることにした。

最初は皮を削り、味噌ラーメンに乗せた。
さわやかな香りがこっくりとした味噌に合う。あまりに美味しいので、その日から数日間、昼食は柚子味噌ラーメン続きであった。

次に、実も皮も一緒くたに細かく刻み、それを煮だした湯でもって蜜を割った。
これは夜、寝る前に飲んだ。柚子の皮の苦味がやや出過ぎた時は、ライムジュースを足して味を調える。ほろ苦くて、これまた美味しい。

他にもいろいろとレシピを試そうと思っていたのだけれど、東京に来てこのかた自分で柚子を買い求めたことがない私にとって、生柚子の新鮮な美味しさは衝撃的すぎた。あっという間に食べきってしまったのだ。

はかなくも家から消えてしまったほろ苦い香りを名残惜しく思っていた折、近所のスーパーで柚子が売られていた。手のひらにちょうど収まるくらいの悪くない大きさで、1つあたり50円。

あの美味しさを思い返し、少し迷ったけれど……結局買わず店を出た。試し切れなかった柚子マーマレードも柚子塩も惜しいが、この冬の柚子はここらで〆ておくのが美しい気がしたのだ。

格好をつけて〆てみたけれど、生柚子の衝撃はそう簡単に忘れられそうにない。次の冬に備え、美味しそうな柚子レシピを頭の片隅に溜めていこうと思う。

コメント

  1. やだもー全力で冬の味覚を楽しんでらっしゃる、いいなー!
    ほんのわずかなのにぱっと鮮やかに印象を変える、柚子のあの特異な存在感。それを味噌と合わせるか…茶碗蒸しとかもいいですよね…じゅる 

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  2. 柚子、自分で買うには日常から少しだけ遠い存在だけど、御縁があるとちょっと嬉しいやつですね。ゴンにも伝えておきます。

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