いもはいもでも

 おいもの話。

イベントで「おいもをおいもとめて」という同人誌を頒布していると、手に取ってぱらぱらとめくり「おいもってこっちか~」という反応をする人がいる。そういうのはサツマイモ好きの人である。


私が作っているのはジャガイモの本なので、これ、人によっては「こっちかってなんだようちはジャガイモ屋だよ文句あるか」ってムッとするのかもしれないが、私はサツマイモのことを目に敵にしているわけではないので、「サツマイモっすか、お好きな品種なんですか」と話を広げてみる。

いや、サツマイモのこと全然知らないけど。

商標20〜30個くらいしか言えないかなあ。

品種名の個数じゃないのは高系14号の派生、ブランド違いが結構あるし、シルクスイートの品種名がHE-306だったりするからだけど

「沖夢紫」とか「ひめあずま」って答えられたら、むむむ、こやつ試しておるな!!って身構えるかもしれないけど

たいていの人は、安納芋か紅はるかって答えるので大丈夫。

「ねっとり甘いのおいしいですよね~」って頷いて打ち返せる。


もじのイチでも茨城出身で干し芋を毎年1㎏買って食べるという人とお話しできた。

客「茨城はそのまま干したやつがあって」

ひじき「丸干しですね」

客「ご存知ですか」

ジャガイモをやっているとどうしても比較されがちなので多少情報が流れてくるものよ。ついせんだっても1月10日が干し芋の日に制定されたとか。


私が、サツマイモを目の敵にしていない例をあげておこう。


特に近年登録されるサツマイモの品種名のセンスが好きだ。


干し芋用の「ほしあかね」

焼酎用の「みちしずく」

寒冷地でも育つ「ゆきこまち」

8月から甘い「あまはづき」


かわいくないですか?和風美少女か。

農研機構の担当者、やりおる。


年末年始の福袋を買う習慣はなかったのだが、ここ2年ほど農家が直売所に出しているサツマイモ福袋を買うことにしている。

中まで紫色の「ふくむらさき」狙いだったが、甘さがなくてジャガイモみたいな「しろほろり」、2023年品種登録されたばかりの「栗かぐや(HL1)」が入っていたので個人的には当たりだ。たぶん品種に敏感な農家さんなんだよな。


サツマイモには大規模イベントもある。

さいたまスーパーアリーナ、けやき広場で毎年開かれるさつまいも博だ。

夏と冬に1回ずつ行ったが、どこも行列、売り切れ、座って食べる場所などないすごい混雑だった。(ジャガイモもやろうよ)

今年の2月もできれば行きたいと思っている。


専門店やスイーツが増え、4次さつまいもブームと言われてから数年が経つ。

スーパーやコンビニでも焼き芋が売られることが普通になり、私もよく利用する。あたたかくて食器がいらなくて何もつけなくておいしくてちょっとした腹ごしらえとヘルシー感も兼ね備えている。手軽におやつ感覚で食べられてありがたい。


思えば、去年の今頃は草群さんと、いも街道を遠足したのだった。

勇気を出して人ん家の敷地に侵入しないと芋が買えなかったり、おしゃれなカフェでおいも料理を食べたり。

ことあるごとに思い出すくらいあれは楽しかったな。


というわけで、今日もこれからサツマイモを食べます。

コメント

  1. 商標20〜30は知らないって言わないと思う! 品種名、かるたとかにしたら楽しそう。
    行きましたねえ遠足、あれはソロでは叶わない(胆力を試される)旅だったし、ダンジョンの隠し部屋を見つけるようなワクワク感でした。またどこかのダンジョン潜りにいきましょう〜

    返信削除
  2. 20から……30……?(知らないの定義を問う顔)いも街道遠足の話、何度聞いてもニューエピソードが掘り出されてきてわくわくするんですよね。次にゆくときはぜひ誘ってください~!

    返信削除

コメントを投稿