藍色のペンケース

 ひじきさんの昨日の日記を読んで「なるほど」と思った。省エネ日記の日、確かに大切である。

 そんなことを考えながら帰宅をし、すっかり寝落ちていた。省エネも何も、エネルギーが足りていなかったようだ。最近こんなのばかりな気がする。どこかでしっかり休んでリセットしたいものですね。

 昨日は万年筆にインクを入れた。私はセーラー万年筆の細字タイプに、パイロットのブルーブラックインクを入れて使っている。細字といっても、万年筆はボールペンと比べると文字が太くなる傾向にあるため、ゲルボールペンでいうところの0.7~1.0くらいはあるように思う。

 この万年筆、何食わぬ顔で使っているためか突っ込まれたことはないが、某漫画のキャラクターグッズである。もともと私は〈推しの概念〉を愛でたいタイプのオタクだ。以前はプレピーというカラーバリエーション豊富な入門万年筆を概念に見立ててキャッキャしていたが、後に公式から、まさしく推しそのものを概念化した万年筆が発売されると聞いて一も二もなく買ってしまった。お値段は送料込みで22,550円。今のところ、私の手元にある最もお高いキャラクターグッズである。

 この件について思うまま書くとさらに長くなるので、それはさておき。

 万年筆にはインクを溜めておくカートリッジがついている。インクが出なくなったら、万年筆のペン先をインク壺にひたし、カートリッジのお尻についた螺子を回す。するとペン先からカートリッジへと逆流するような形でインクが補充されていくのだ。

 補充が終わったらペン先をインク壺から引き上げ、余分なインクをティッシュなどで丁寧に拭く。

 この、最後の工程が面倒なのだ。可能な限りやりたくない。手が汚れるし、せっかくのインクをティッシュに吸わせるのも業腹である。何よりインクを補充したら、チマチマと何かを拭いたりせず、すぐさま書き始めたい。

 万年筆の先達もみな同じようなことを考えておられたようだ。先日、このフラストレーションを解消する素晴らしい方法を知った。

 まずインクが切れたら、カートリッジを万年筆の本体から外す。カートリッジのお尻についた螺子はギリギリまで回して、カートリッジ内の容積を可能な限り増やしておく。そこに、スポイトで吸い上げておいたインクを直接流し込んでしまうのだ。あとはインクがなみなみと満ちたカートリッジを万年筆の本体にセットし直すだけ。

 ペン先が汚れないからすぐに書き始められるし、汚れるのは小さなスポイトひとつ。そのスポイトだって、水道でザッと洗ってきれいにしてしまえる。

 しかもこの方法なら、インク補充の頻度をぐっと減らせるのだ。というのも、万年筆のカートリッジはその仕組み上、通常の方法では本来の容積の60%くらいまでしかインクを入れられない。しかし先述のスポイト式なら、カートリッジをほぼ満タンにできる。

 ノートや手帳を積極的に手書きするタイプの人間なので、持ち運べるインクの量は多ければ多いほどよい。このスポイト式を知ってから、私のインク補充の頻度は通常の1/3ほどに減り、手帳の消費も少し早くなった。手帳が早く消費されると、たくさんの手帳を使えるようになる。ありがたいことです。

 最後に。このスポイト式は正式な手順ではないため、なみなみと入れたインクのなみなみ加減によっては、インクが万年筆から漏れることがあるかもしれない。不慮の事故で手帳と鞄がインク色に染まっても後悔せぬよう心の準備をしたり、何かしらの対策を立ててから実践することをおすすめする。

 私はこないだ布のペンケースが美しい藍色に染まったので、次は水洗いできるシリコン製のものなどを狙っています。

コメント

  1. やまおり亭さんにはいくつの推しの概念がまとわりついているのか、日記で数えていけそうですね。万年筆も硝子ペンも手を出さずにいたのですが、「フィナンシェ」という名のインクをタミヤってくれた人がいましてね、そろそろ何かしらのアイテムを手に入れるべきかなあと思っているところです。

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  2. 万年筆のインクはもっぱらカートリッジ式に偏ってしまうけど、素敵な名前のインク見つけてしまうとうっかりビンで並べてしまうのよね……インクもノートも順番待ちの長い列ができているので、そろそろ習慣を身につけてしまいたいところ。

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