杜の都へ
今日は昼過ぎまで仙台にいた。
24日から二泊三日の旅程で滞在していたのだ。仙台は初めてだったので、青葉城址で伊達政宗公の像を拝んだりするかと思いきや、そんなことは全くなかった。
旅の同行者は両親である。両親ともに旅好きで幼少の砌からあちこち連れて行ってもらい、無事私も今年は6月・8月・9月・10月・12月に新幹線に乗って出かけるような人間に育ったが、3人での旅行は随分と久しぶりだったようである。15年以上か?母とは4年前に屋久島に行ったぶりだ。春にジャガイモ掘りのための帰省のおり、たまたま温泉に行きたいという話をしていたら行くことになった。平日2日連続で有給休暇を使ったのだから、これが夏休みだと言えなくもない。
両親も確実に年老いてきたし、いつまで出かけられるかわからないからなという思いもあった。私が体力の衰えを感じるということは、あちらはもっとであろう。記憶にあるようなあちこち回る強行軍はもうできまい。新幹線とホテルがセットになったフリープランを旅行会社で申し込んだようだがどんな旅程になるのかしらん?と思いながら、東京駅で待ち合わせたら、あんたはどう回るつもりなのかと問われ、決めてないけどと答えたら、(あんたは仙台初めてでしょう、私たちはそれぞれ行ったことあるから)別行動にする
?と冗談半分に言われて笑ってしまった。いや、単独行動好きだからええですけどね。それは家族旅行なのか。行きたいスポットの確認をしたら、動物園と水族館が挙がったのでひとまずそれはご一緒しましょうということになり、一応家族旅行の体は保てることになった。
2時間ほどで仙台駅に到着、なんだか立川駅みたいだなという感想を持つ。東北最大の繁華街にそれは失礼かもしれないが。まず昼食。私は分厚い牛タンを心ゆくまで食べたかったが、父がそういうのは好かないので駅ビルのレストラン街で郷土色のある和食の店に入った。せめてもと、牛タンとはらこ飯と白石温麺のセットを食べた。
地下鉄東西線に乗り、八木山動物公園へ。ちょうどフリーフライトショーの時間で、ルリコンゴウインコやソロモンオウムの飛翔、ハリスホークを間近で見ることができた。
ホテルの送迎バスの時間が決まっているので、足早に見て回る。パーク内のサインが少なく、どこに向かえばいいのか順路が分かりにくい印象を受けた。施設の規模に対して軽食売店の数が多い気もする。私の好きなブラッザグェノンとアビシニアコロブスがいたのは好印象。ライオンやトラなどの猛獣、象も複数頭いた。
お土産コーナーにはお決まりの動物のぬいぐるみたくさん売られており、私は手のひらサイズのオオワシをお迎えした。
お座りできるところと目つきが気に入った。よく一緒に温泉おこもり合宿をするKさんが、ぬいぐるみを連れてくる人で、私もぬいぐるみはたまに動物園や水族館でお迎えするので、おでかけにぬいぐるみという習慣づけができているわけはないが、抵抗がなくなっている。小さい子なら今後も連れまわしやすいだろう。
宿は仙台駅から40分ほどの秋保温泉。ホテルの創業は私より少し年上で、団体旅行客を受け入れてきたのだろうという、売店もいまいち冴えなくて昔ながらと言うか古い感じがする。夕食は和食の懐石御膳で、両親に丁度良い量と言うことは私には少し物足りない。友人とだと素泊まりでしこたま外で食べてから寝に帰るスタイルが多いので、親との旅行って感じだ!
翌日は仙石線に乗ってうみの杜水族館へ行った。
胸ポケットには少し窮屈そうにこちらを見上げるオオワシを詰め込んで。
その日の母のチュニック風のシャツが私が持っているものと全く同じで、私はそれを出勤服と位置付けているが、持ってくれば双子コーデでしたねと思う。たしかアースミュージック&エコロジーで買ったんだよな、あれ。
小学生の社会科見学の群れをかき分けながら、スタジアムショーでアシカとイルカのショーを見る。鴨川シーワールドで目の肥やした母は「もっと頑張ってほしいわね」と厳しめのご意見。途中ルリコンゴウインコのフライトタイムもあり、八木山動物公園で見たものとリンクしておる。
バックヤードツアーでは、飼育員さんに連れられて水族館の裏側を見せてもらった。トラザメにタッチできて、かわいい。大水槽のスナメリは計画して飼育を始めたものではなく迷い込んだのを保護したもので、芸を仕込んだりおもちゃを入れることを禁じられているのだが、ダイバーが掃除をしようとするとちょっかいを出してくるので、掃除をする時は2人がかりで1人が気を引かないといけないのだそうだ。
見たい対象や歩くペースや残存体力が違うので魚を眺める時間や、仙台駅に戻ってお土産を見る時間は各自自由行動をとった。
書くことでもないが、父の衰えは気になった。老いると自分本位になる傾向は誰しもあるのだろうが、会話をしていてもくどくど説明しないと通じないことがあるし、別のことを決めようとしているのに鞄が壊れたことをいつまでも気にしたり、要冷蔵の土産を2日目に買って常温の宅配に入れようとしたり、窓口を通らなくてはいけないチケットなのに自動改札に向かったり……一緒に暮らす母の気苦労は図るべしである。
夕食は宿でフランス料理だった。風呂にはその日だけで3回入った。
そして本日。
部屋から見える中庭にはルンバのような自動芝刈り機が毎日走っている。
朝食のバイキングは昨日とりあえず全種類食べて様子が分かったので、今朝は気に入ったものだけをがっつり食べた。牛タンシチューがお肉ゴロゴロでしてねぇ、あとはフロム蔵王
極(KIWAMI)ヨーグルトがもっちりすごい塊感で、たっぷり皿に持った。カゴメのスムージーを並べるなど、少し頑張ってる感を認めよう。
新幹線出発までの3時間は完全単独行動と決まったので、さっそく地下鉄に乗る。1日目にコインロッカーの場所を覚えておいたのが役立った。卸町で降り、昨日なんかないかと調べたときに出てきたバター30%配合だというヴォワザンのフィナンシェを買い、速攻青葉一番町に戻り、アーケード街が好きなのでふらふら歩き、ケーキ屋を見つけてはフィナンシェを狩り、藤崎百貨店や仙台三越のデパ地下をウォッチングしてはパンを買い、やってることがどこでも変わらないですね、ひじき。歩いて駅に戻って最低限のお土産と駅弁を購入して、新幹線のホームで両親と落ち合った。母は野草園、父は駅のパネル展示を楽しんだようである。
次に両親に会うのは年末年始かしらね。
うちは家族旅行で別行動ってあまりしないので、集団ごとに集団の在り方は違うよなあと感慨深く思いました。旅のおとものぬいぐるみ、えもいわれぬ良さがありますね!
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