カブトムシの木
アパートの共用通路に植えられたトネリコが、ものすごい勢いで成長している。
植えられた当初は私のふくらはぎの半ばほどの背丈しかなかったのに、今では私の身長を軽く越え、通路の天井を艶やかな葉でさわさわと撫でているほどだ。天井にぶつかっても頭打ちとはゆかないようで、枝の先を暖簾でもくぐるようにチョイと傾げ、まだまだ上を目指している。
共用通路には砂利が敷いてあり、植物を育てるには向かないように思う。そんな環境にも関わらず立派なものだと、共用通路を通るたび感心しながら見上げている。よく育つ植物というのは見ていて気分がよい。
この日記を書くにあたり調べたところ、くだんのトネリコはシマトネリコという種類らしく、最終的には十メートル以上にもなるようだ。今は三メートルに届くかどうかというあたりだから、この三倍のサイズにはなるということだろう。
ところでうちのアパートは、住民による勝手な植栽を禁じている。
大家さんや管理会社の方がいつ気づくだろうかとハラハラしながら様子をうかがっていたのだが、こうも大きくなるまで放置されているところをみるに、あのトネリコは住民と関係者諸々の暗黙の了解を得ることができたのだろう。
シマトネリコは樹液豊富な木でもあり、またの名の「カブトムシの木」というのだとか。カブトムシを寄せるほどのサイズになるその日まで、ぜひ健やかにがんばっていってほしいものだ。
トネリコは戸に塗る木が語源で、シマトネリコのシマは縞ではなく島なんだ~と軽く調べるきっかけになりました。植物でも毎日のように目にしていると愛着がわきますよね。カブトムシ発見したらぜひ教えてください!
返信削除ワアー、すくすく伸びていく木を見守るのはたのしいですねえ!登れるくらいになるかしら。なったら登りに行きたいわ。
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