生活を面白がる
健康診断! 健康診断ね……会社員だった頃は定期的に受診していたのだけれど、自営業になってからしばらくサボっており、先日ついにお医者さんに叱られてしまった。
さていつからサボっているのだったかと手帳を繰ってみれば、なんと最後の受診は四年前であった。叱られるはずだ。この年齢になって先達に叱られるというのは、それも技能の不足や粗忽さについてではなく、人としての暮らしぶりについて諌められるというのは――なんとも堪えるものがある。もう三十年余りを人として生きているというのに、このていたらく。失礼ながら、草群さんの日記にあった歯医者さんでの出来事に想いを馳せつつ、健康診断の予約をした。「ここらでちゃんとできてよかったね仲間」がこんなにもすぐ側にいる。勝手に勇気づけられています。
そんなこんなで健康診断の予約をしたら、まだ八つ時を過ぎたばかりだというのに、すでに一仕事終えたような気になっている。
健康診断の予約しかり、お役所系の申請書類しかり、私は「定期的に思い出して誰かに連絡すること」を求められる作業がかなり苦手だ。税務処理はずいぶん前に税理士さんに放り投げてしまったし、荷物の再配達の依頼は滞らせがちだし、以前の日記だったかコメントだったかで言及していた歯医者さんの予約もまだできていないし……。
いつだかに読んだ星野源さんのエッセイ集に『そして生活はつづく』と題されたものがある。何かの雑誌の連載をまとめた本だったと思うのだが、その連載の始めのほうにあたるエッセイで、彼は「昔から生活が苦手であり、この連載では苦手である生活を面白がるためのエッセイを書こうと思った」という意味合いのことを仰っていた。
読んだ当初は、彼が公共料金の支払い用紙を失くす一連のエピソードなどを純粋な共感とともに拝読したものだが、思い返せばあのエッセイの「苦手である生活を面白がるために行動する」という流れのほうにもっと着目していたら、私の今の生活態度も、もう少し違ったものになっていたかもしれない。
いや、しかし、それならば。
この交換日記は私にとって「苦手な生活を面白がる」の一環になっているように思う。
ひじきさんの日記を読んで健康診断の予約をしたり、りんごの命名法則に興味を持ったり、草群さんの日記を読んで「そうだ、私も歯医者に行こうと言っていたんだった」と思い出したり、最近失っていた遠出へのモチベーションを少し取り戻したり。ジャンプするための助走部分を手伝ってもらっているようなイメージだ。
ひとりでちんたら走ると息切れしがちだけれど、同じ時間に走っているかもしれない人の存在を認識すると、ちょっと楽しくなる。今の私は、生活を前よりちょっと楽しんでいるような気がする。
会った時のおしゃべりではもれてしまうような「ここらでちゃんとできてよかったね」エピソードを教えてもらえると、勝手に刺激を受けたり励まされますよね。どれがいつ役立つかわからないけれど、無理ない範囲で赤裸々に書きますね笑
返信削除なんかああいう手続き系のって、また別の元気が必要ですよね……公共料金の支払いなんかは以前から本当に忘れすぎてよく督促がきていたので(ダメ人間)、玄関のドア内側にマグネット式のポケットをつけて入れとくことにしました。かわいい貼り箱のやつ。出掛けに握りしめて行くから、カバンに入れとくよりも忘れない気がする!
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