こわくないよ
「ヴァチカンのエクソシスト」という映画を見た。
ホラーという噂だったので同行者の希望により最後列、出口に一直線の席で見たのだが、終わった後に引きずるような恐怖はなく、まもなく公開予定の作品予告で流れていた映像の方がよほど不気味だった。コンパクトな舞台設定ながら信仰で殴るバトルのような見せ場もあり、なるほど話題になるだけのおもしろさはある。ラッセル・クロウ演じる主人公の神父が、修道院内で起こるポルターガイスト現象の中、扉を体当たりでこじ開けていく様子を見て(斎藤みたい)と思った。続けて(ならばもう一人の若き神父トーマスは山村かな)と。斎藤と山村は「日本統一」の登場人物である。日本統一のことを真面目に書こうとすると長くなるのは必然で、それは交換日記でやることではないだろうと必死に堪えるのだが、日記であるがゆえに身近なそれを今後もちらと話題に出す可能性はあることをご容赦いただきたい。
「映像作品を見て何かを思い出すときにヤクザ映画がナチュラルに浮かんでくるくらい馴染んだひじき」のことを書きたかっただけなのだ。
日本統一はヤクザもののVシネマである。2013年から10年間、短いスパンでコンスタントに作品が制作され続け、スピンオフも合わせると80を超える。ストーリーは、不良だった2人の男が日本最大のヤクザ組織の幹部に成り上がり、極道界の統一を目指すバディものだ。ヤクザ映画は怖いイメージがあるかもしれないが、暴力表現はマイルドだし(絶対当たってない)先に出した熊体型の食いしん坊・斎藤やアニヲタの山村のような子分と男子高校生みたいにキャッキャウフフしてるシーンがほとんどだよ!80作品も作ってまだ日本を統一できてなくて続いてるよ!キャラ立ちした登場人物が多彩だからカップリングもはかどるよ!(?)
私は2022年12月から半年間で一気にこのシリーズに目を通した。1月に川越いも街道に遠足した際も、芋を食べながら草群さんに統一の話をしたので、そんなに布教したいのかと思われたかもしれないが……別にヤクザ映画を人に勧めたい気持ちはない。単なる近況報告なのだ。
日本統一を始める前段階がある。2021年夏、ヤクザのことを何も知らなすぎるのでちょっと勉強しようと思って、タイトルとテーマメロディが有名な「仁義なき戦い」を見た。そこから東映実録路線をはじめとするヤクザ映画を平日夜に見るのが習慣化すると、冬になる頃には連日睡眠不足に陥った。
私にとって「ヤクザはストレスに効く」のでつい見てしまうが、寝不足になる「ヤクザは体に悪い」でもある。なので、人にも勧めないし、しばらくヤクザ映画を頻繁に見るのはよそうと誓った。
1年経って2022年冬、草群さんが焼鳥屋で教えてくれたヴィゴ・モーテンセン主演の「イースタン・プロミス」を見ることにした。床屋のシーンから始まるのだが「床屋はだめぇぇぇぇ」ヤクザ映画で床屋のシーンはだいたい人が死ぬ。中盤以降にサウナのシーンがあるのだが「お風呂がだめぇぇぇぇ」ヤクザ映画の風呂のシーンは刺青(タトゥ)を見せる意味もあるが、だいたい人が死ぬ。短期集中視聴をしたせいでヤクザ映画文脈が染みついており、出だしからキャーキャーしてしまった。
そして、日本統一。時事ネタをふんだんに取り入れた今どきの映像作品でありながら、ごくたまに昭和ヤクザ映画ネタをぶっこんでくるのである。拾えなくてもストーリーに何も支障がない程度に、でも知っている人はにやける程度に。いやあ、昭和ヤクザ履修しておくと役立ちますね!
今後もまた何かを見た時「〇〇みたいだな」の候補にヤクザ映画が上がってくることになるのだろう。自分の中にそういう筋が増えたという話をしたかった。
……というか、誓っておいて足を洗えずに結局また日本統一のせいで寝不足の多い半年間を送ってしまった。アマゾンプライムにある分は一通り視聴したので、現在は落ち着いている……プライムにヤクザVシネが案外たくさんあって、日本統一に登場する役者がやたら出ているので気になっているが、なるべく見て見ぬふりをしている。
ヤクザ映画でサウナシーンは血を見る、めっちゃわかる……というか半年で一気に見ちゃうのすごいですね!
返信削除シリーズの膨大さにおそれをなして結局観れてないな…ひじきさんのすごいとこは、見たり聞いたりしたものをすぐ取り出せるとこにちゃんとしまってあるとこですね。ヤクザボキャブラリーも鮮やかで、喋ってて瞬発力にびっくりします。
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