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休日は休むもの

今日はやろうと思っていたことをすべて先送りにして、爆睡していた。 端的に言って疲れ果てていたのだ。平日は上り列車最終のアナウンスを聞きながら下り列車に乗って帰宅し、昨日土曜もイベント対応で半日出勤した。経験の浅さを補うべく自ら志願してのことだったが、久しぶりの立ち仕事だったのでトドメを刺された形である。 しかし昨晩はこの交換日記の三人組で宴会の予定があった。上司には先んじてその旨伝えてあり、ほどよい時間に退出した。ふたりにはいつも良くしてもらっているから今日こそ手土産のひとつでも、と思って新しくなった渋谷東急のFoodShowに立ち寄り、フロラン探偵とフィナンシェヤクザを3名ほど迎えた。井の頭線なら始発だからゆっくり座って行ける、一本見送ってちょっと休もう… と思ったのが甘かった。 私は私の疲労を見くびっていたのである。ぱちっと目覚めて目に入った車内案内には各駅停車の駅名。私は吉祥寺行きの急行に乗ったはずである。表示がぱっと入れ替わり、列車の行き先を示す。 Shibuya…? そう、眠りこけて列車が折り返したことに全く気づかなかったというのが事の真相で、この時点で私はすでに大遅刻していた。おたおたと乗り換えナビを調べながら二人に連絡を入れ、気遣いに満ちた返信に天を仰ぎながら正しい方向の列車に乗り直す。 たどりついた店「べたなぎ」でにこやかに出迎えてくれたひじきさんとやまおり亭さんには本当に頭が上がらない。出遅れを埋めるかのように空腹にビールを流し込み、おいしい魚をばくばくいただく。すでに食べごたえのあるお通しにはじまり、お寿司にお刺身にあんきもにいか焼き、アジフライやカサゴの煮付けやホタルイカの丸干しなどなど、けっこうな品数を頼んだけれど、どれもほんとうに美味しくて最高におしゃべりとお酒が進んだ。 あんなに食べたし長々居座ったのに、まだまだ食べたい。本当によいお店を教えてもらった。 この三人で話すと、全員判断が早いので話がサクサク進む。全員企画の主催経験があり「物事を動かしていくことに躊躇のない人たち」だから、断を下すことを怖がらない。このからっとした感じが私にはとても心地良い。ありがたい友達を持ったなあ。 末永く仲良くしてください。よろしくおねがいします。 で、その翌日が今日。 どんなに楽しくても充実していても、無理をしては身体がもたない。 最低限の家事だけをして...

暴力、爆発、ナイス音ハメ

 かれこれ三〇分ほどキーボードの前で途方にくれている。ので、先月観たおもしろい映画のことでも書こうと思う。ネタバレはないです。  ジョン・ウィックという映画をご存知だろうか。  2014年から続くシリーズもので、2023年9月、シリーズ四作目となる『ジョン・ウィック:コンセクエンス』にて、見事完結と相成った。  映画『ジョン・ウィック』はこう始まる。  ジョン・ウィックという伝説の殺し屋が最愛のパートナーを得た。パートナーを愛する彼は殺し屋業を退いたのだが、不幸にもそのパートナーが亡くなってしまう。ジョンは孤独に静かに暮らしていたのだけれど、ある日、パートナーの遺してくれた犬をマフィアに殺されてしまい……ジョンは復讐のため、殺し屋業への復帰を決意する――あらすじで察せられるかと思うが、悲しいことに映画の冒頭で犬が亡くなってしまう。あと人間もたくさん葬られる。  さて。はばかりながら、私は「暴力、爆発、ナイス音ハメ」な映画が大好きだ。〈復讐〉をストーリーの根幹に置く『ジョン・ウィック』シリーズだが、その大部分は煌びやかな暴力で占められている。すばらしい音楽とともに、リズミカルに繰り出される暴力のなんと魅力的なことだろう。私は『ジョン・ウィック』シリーズを、うつくしい暴力を浴びるほど鑑賞できる映画として楽しんでいた。  しかし完結編、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』で、私はこのシリーズへの感想を一新させられることになった。いやあ、様々な面ではちゃめちゃに巧みだな~!?  私は映画館で公開初日に観たのだが、まず導入部分の配慮がよい。全映画館で行われていることなのかどうかはわからないが、少なくともTOHOシネマズでは、本編開始の直前にごく短い「これまでのあらすじ」動画が流れた。シリーズものの映画は、知人にぜひ観てもらいたいと思っても、最新作より前の部分をチェックさせるのが申し訳なくてお誘いを躊躇してしまうことがしばしばある。しかしジョン・ウィックなら大丈夫だ。安心して、初見さんを映画館にお誘いすることができる。  そして、これまで以上に絵がうつくしい。思わずみとれる絵的な……画角的な? うつくしさが各所にちりばめられている。私のおすすめは俄然パリだが、くるくると舞台がかわってゆくため、だれしもが、どこかできっと気に入る絵に出会えるだろうと思う。そう、日本のオオサカも舞台...

SはSでも

 健康診断の結果が届いた。 ゆるやかに数値は上昇し、若さは失われていく。急激に悪化したり老いるわけではなく、ゆっくりとただ着実に。 要経過観察項目はあったが、再検査や精密検査項目はなかったのでよしとしよう。20代の頃は中性脂肪が低すぎるというよくわからない理由で再検査判定をくらったりしてした。トクホを飲まないくらいしかやる対策がねえよ!と思っていたが、ここ5年ほどで標準値に納まったようである。食欲に忠実な私が注視すべきはコレステロール値もそうだが、糖尿病の傾向がないかであろう。何しろ毎日のようにフィナンシェを食べていることの影響が遅れて出ないとも限らない。危険値になったらどうするかはその時に決めようと結果の紙を閉じた。 さて、今日は雨靴の話を。 防水靴に、私はここ数年ワークマンのレインブーツを愛用している。雨が途中でやんでしまったとしても普段着にさほど違和感なく合うデザインだし、雨の日もがしがし歩けるおかげで履きすぎて、つま先と踵が裂けた。雨水が入ってきてしまっては用をなさないのでさすがに買い替えることにした。今まで履いていたカラーリングはもう廃番となっていたので、まずは茶色っぽいのを試着したが、うーんやっぱり暗色がいいなとその隣にあった黒っぽいものの同サイズを手にとってレジに持っていった。 そして、雨の日を迎える。 歩き始めたがどうもおかしい。きつい。 浮腫んでいるとかそういうレベルでなく、指先が痛い。なぜだ。 会社に着いて靴を脱ぐと左足の小指に水膨れができていた。試着したよな……Sサイズでぴったりだったよな……この数日で足、そんな急激にデカくなるか?帰宅のためにまた履いてみたがやはりきつく、水膨れは破けて赤くなってしまった。 仕方がないので、再びワークマンへ行った。1つ大きいМサイズを注意深く試着し、そこで真相に行き当たった。私が従来履いていたレインブーツは男女兼用のSサイズ(24cm)だったが、先日購入した黒いレインブーツは女性用のSサイズ(22.5cm)だったのだ。値札をよおおおおおおく見ればわかったことである。いや、怖っ!メンズでもいけるデザインしやがって、同じ棚に並びやがって、纏足しちゃったよ(してない) 今は兼用のSサイズのブーツを手に入れ、秋雨の外出でも快適である。 皆様におかれましては、そんなそそっかしいミスなどしないようご注意召されよ。

人のまわしで

楽しい。 現在、おそらく今の仕事の一番楽しいところに差し掛かっている。 そう、グッズ制作である。 今の職場はマンガ作品をベースに通販とかイベントとかいろいろ展開している、ざっくり言えばアニメイトみたいな本屋なのだが、複数フェアイベントに向けてオリジナルグッズの企画デザインが絶賛進行中だ。アイテムラインナップと方向性を提示し、作家ふくむ権利元の承諾を得て具体化していく。ある意味人のまわしで相撲をとる仕事なのだが、これのいいところは商品化自体が販促の一環なので、権利元も大変協力的だということだ。 ただの商品化の場合はこちらが一方的にお願いする立場なので制約が多かったり条件が厳しかったりするが、たとえば新刊発売記念とかデビュー何周年とかのフェアとしてイベントをやる場合、より盛り上がったほうがお互いの利になるので大変話が早い。 もちろん、会社が過去に積み上げてきた関係性あっての話なのだが、お預かりした素材をもとに社内のデザイナーにデザインを依頼し、上がってきたものを調整して提出し、修正などの指示があれば対応する。このやりとりが大変性に合っている、というか過去の同人活動で相当鍛えられてきたことを実感している。 基本、直接の打ち合わせではなくテキストベース+画像によるやりとり、たまに電話とかで話す程度なので、指示の解釈や画像選定がかなり肝だ。見せるもの、選ぶ言葉がひとつ違うと全然別のものになってしまう。だてに同人誌の表紙デザインとか画像選びでディスプレイに穴があくほど色々見続けてないわね。「この方向性ならアレ見せたら早いかも」がすぐ思い当たるのはオタクの強みである。 ひじきさんのようにいつでもどこでも理路整然と解説はできないが、なんかふわっとしたものをつかんでギュッとかためて形にするのは得意な気がしている。 今同時並行で動いているものが主に3本、規模の大きいものではないが私が張り切って提案してしまったためアイテム数がそこそこ多く、もろもろのリミットが近接し合っている。今月中旬あたりからあらゆることが火を噴く予感しかしないが、そのあたりも権利元の担当者が一緒に頑張ってくださるので大変心強い。 今日はそのうちひとつの企画で、おおよそ素材が出揃って本格的にデザインが固まりはじめ、私は永遠にニヤニヤが止まらなかった。もう、全部かわいい。頼むからみんな買ってくれ。 自分が「いい」と信じて...

秋のかおり

 十月に入り、驚くほど唐突に秋めいてきた。  一昨日までは夜の散歩ですら半袖短パンでも汗ばむほどだったのに、今夜は短パンを少し肌寒く感じた。朝晩が冷えるので寝間着用にヒートテックの長袖を出したし、毛布代わりのタオルケットを薄い毛布に替えるため、日中の晴れ間を狙って風に当てもした。  ついでにシーツも枕カバーも洗ったが、これまた急に秋めいてカラリとした風のおかげで、おもしろいほどよく乾く。年々短くなっていく気がする秋だけれど、今年もあっという間に、風のごとく去ってしまうのだろう。  そんな短い秋の始めに、月を見ながら酒でも飲もうと近所のドン・キホーテを物色していたら、見覚えのないお酒が売られていた。「クラフト スパイス ソーダ」と銘打たれた、缶の、シュワっとした酒だ。  わたくし、お酒ならなんでも嗜むのですけれど、リキュールならスパイスやハーブ系を特に好ましく思っておりまして……カンパリとかイエーガー・マイスターとか、ええ、そういった。ほほほ。と、思わず背筋を伸ばしてお淑やかになってしまうくらい、私はスパイスやハーブの効いた酒に目がない。  ので、やはり買ってしまいました。  写真がないのでサッポロのブランドサイトをリンクしておきますね。 https://www.sapporobeer.jp/craft_spice_soda/  缶の配色は青と銀ベース、差し色に緑と黄。  カンパリという有名なハーブ系リキュールは赤い色をしているのだが、そのカンパリの青バージョンといった雰囲気だ。  飲んでみると、想像以上にさっぱり、でも途中からガツンと苦みのあるスパイス。液体を飲み下した後、ちょっと驚くほど長いこと、口の中に爽やかなレモンとスパイスの香りが残る。売り場のそばに貼ってあったポスターではこの酒と唐揚げを合わせていたが、確かにそういう濃ゆくて油っけのある食べ物がマッチしそうだ。  おつまみを買っていなかったので、公園のベンチに腰掛け、粛々とスパイスを炭酸を味わう。  肝心の月は生い茂る木々に遮られ、木の葉ごしに月光の降り注ぐ気配を感ずる程度だった。そういうこともある。  食欲の秋、まだまだこれからですよ。

しっくり飯(バインミー)

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 バインミーが気になる。   水曜の夜、ボードゲームカフェに持ち込むための夕飯をバインミーにした。同行者の L さんが行ってみたいと言ったので。 店の前で待ち合わせたが、至近距離に 2 軒バインミー屋があり、あやうく L さんに会えないところであった。4年前くらいからちらほら見るようになった気がするが、流行ってるんだな。 バインミーとは、フランスパンで作るベトナムのサンドイッチのことだ。なますやハム、レバーペーストを挟むのが一般的である。 ベトナムを旅した時にも屋台を見たし、ベトナム料理屋にもメニューであることはあるが、私はバインはバインでもついついバインセオ(クレープ状のほの甘い生地に野菜などを挟む)を頼みがちなので、あんまり馴染みがなかった。 タッチパネルの前に立つとみそ豚やら牛ステーキなど自由っぽいメニューもある、パクチー抜きやさらなるトッピング増量などカスタムもできる。ハム&レバペとみそ豚の 2 種をミニサイズで頼んだ。 これがそのときの私にしっくり来た。私が大切にしている感覚、しっくり。 パンの食感と味、日本のものよりは太切りのなます、その軽い酸味に絡んだパクチーの風味、肉の塩気が思った以上に合う。 噛み応えのあるパンを頬張ることが好きでカスクートなどを買うこともあるが、これはもっと野菜たっぷりで、異国情緒サブウェイというか。 バインミー、いいじゃんと思った。 金曜日、早帰りの日だったので別の駅のバインミー屋に行った。 ほら、食べてみないと何もわからないのでひじき。 イートインで、期間限定味のチキンとサツマイモのカレー炒め出来立てを食べたら、日本人ナイズされた丁寧さもあり、レベルが高い。店もコーヒースタンドのようにシンプルでおしゃれであった。 土曜日、もう一度最初の店に行って、今度は期間限定のベトナムカレー味を注文した。これもチキンとサツマイモが入っていて、そういう時期なのかと思う。 ミニサイズよりフルサイズの方が食らいつく食べ応えが楽しい。 しっくり飯は気になるうち今のうちに食べないと拗らせることはわかっている。一人でサクッと食べられる手軽な料理だったことは幸いだった。 検索したらバインミー屋はたくさん出てきてしまうだろから、とりあえず検索はせず、でもすでに存在を知っているあと 4 店...

心のなかにブルドーザー

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土曜日。 朝ゆっくりしすぎて歯医者に遅刻しかけ、公園のなかを小走りで通り抜けているとシェパードにおすわりを教えているおじさんがいたり、警察が交通安全キャンペーンの会場を設営していたり、平日とくらべて人の流れが散漫なのがらしいなあと思う。 そんななか脇目も振らず突き進む私。まったく、ゆとりを持って生きていきたいものである。 歯医者のあとは電車に乗って、ずっと通っている美容室へ。私の髪は量が多い上に元気なので、少し放置するだけでびっくりするほど嵩が増える。今日も今日とて側頭部と後頭部に3ミリのバリカンを入れてもらい、すっきりツーブロックにしてもらった。 「今日も3ミリでいいすか」 「いいす! やっちまってください」 いつものやりとりでサクサク切ってもらってたら、もう15年以上の付き合いになる美容師のMさんがおもむろに「いま、この近くで一日一杯タダでジントニック飲めるんすよ」と言い出した。 急にどうした、とよくよく聞いてみると、新しくできたクラフトジンのお店がやっているキャンペーンだという。タダほど怖いものはない、せめてちょっとくらい払わせてほしいよな、と言い合いつつ「俺も行ってきたけどみんなフツーに一杯だけ飲んで出てましたよ」と抜かすMさん。いや飲んだんかーい、と心のなかで突っ込んだが、結果これが私の背中を押した。なんか気まずい思いしてまでタダ酒飲まなくても、って思っていたけど別に気に病むことはないらしい。なんなら受け取ったらそのまま街に繰り出せばよいのだ。 というわけで日曜の昼から飲んできたぞー! ぐるっとカウンターにきれいなビンのクラフトジンとシュッとした若者たち、 そこへへらっと現れて、スタッフの案内に従って「0円サブスク」の登録をする。 これ、今後有料化するジントニック(ジンソーダとかノンアルもある)サブスクのお試しとしてやってたらしい。なるほど、仕掛けがわかればそんなに怖くない。近所で働いてたりしたら最高にお得だが、そんなに頻繁には来ないしな……と心揺れるくらいだったので、キャンペーンとしてはなかなか悪くないんじゃないか。 ひとまず一杯、受け取って店を出る。あるきながら飲みたかったので。 10月にしてはまだまだ気温が高いが、それでもずいぶん過ごしやすい。 いかにも休日な人混みのなかを、ゆうゆうとお酒を飲みながらぶらつくなんて最高だ。 肝心のジンは、ヨモギとか色...